2010.01.31 Sunday
J.ジーター指揮フォート・スミス響、W.G.スティル/交響曲第5番「西半球」&第4番「先住民族の」ほか
JUGEMテーマ:音楽

NAXOS:8.556903
William Grant Still
/Symphony No.5 "Western Hemisphere"(rev.1970)
/Poem for Orchestra
/Symphony No.4 "Autochthonous"
John Jeter/Fort Smith Symphony
以前N.ヤルヴィの"American Sereies"で紹介したことのあるアフリカ系アメリカ人のクラシックの作曲家としてほぼ最初に評価されたW=G.スティルの作品を3曲(全て初録音)収録したCDです。
ただ今回はオケも指揮者も殆ど無名なだけに正直・・・という感じです、と書いたところで解説を見ると、同じ組み合わせで「アフロ・アメリカ交響曲」の録音もしていたんですね・・・知りませんでした。
ということで最初の交響曲第5番「西半球」は1945年作曲で、1970年に編集された4楽章構成で約20分弱の比較的短い作品です。元々は第3交響曲に次いで書かれた作品です。第1楽章は「Briskly」となっているものの、冒頭は少々重苦しく、とても「元気良く」という感じではありませんが、徐々に平易で親しみやすい雰囲気に支配されます。第2楽章はゆったりとしたテンポ設定による楽章で、深刻ぶらずに非常にメロディアスで何処となくムーディーな雰囲気も感じさせます。何ともいえない語りかけるようなやわらかい感じのメロディーです。第3楽章は一転して緊張感を感じさせるものの、強烈な重苦しさという感じではありません。第4楽章は前の楽章は何だったの?という感じの楽天的な音楽。非常に親しみやすいメロディーでダイナミックかつ振幅の幅も感じさせます。それにしてもメロディーが簡明で親しみやすいです。いやみな部分がなく、全体を通して親しみやすさが前面に出た作品に仕上がっています。
続く「管弦楽のための詩曲」は1944年作曲で10分強の小品。この作品では冒頭からメロディーは平易なものの、どこか落ちつきのない焦燥感・悲劇性を感じさせます。とはいえ全体を通すと決して重苦しさで押しつぶされるわけではなく、ある種映画音楽的な楽観性も持ち合わせています。
最後は交響曲第4番「先住民族の」です。この曲は1947年完成で4楽章構成26分強を要します。第1楽章は彼の作品らしくメロディー的には平易さが支配するものの、簡潔明瞭一辺倒ではないひっかかり・楽観的だけではない部分を感じさせます。第2楽章は一転して非常にゆったりと、長閑さを感じさせますただ中間部以降では弦楽器による明るく開放的なメロディーが印象的です。第3楽章ではジャズの雰囲気を感じさせる非常に軽快である意味コミカルさも持ち合わせた音楽が聴けます。と言うか、これはそのままジャズです。第4楽章は一転薄暗いジャジーな雰囲気を感じさせます。後半以降はノーブルな雰囲気も感じさせながらも、非常に平明でメロディーのしっかりとした音楽が展開されます。全編を通して非常にメロディーがしっかりとしていて、退屈させません。
全体を通していかにもアメリカ音楽的な平明さを感じさせますが、それが極端に嫌味にならず、いい具合に聴きやすい音楽に纏め上げられています。


























