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J.ジーター指揮フォート・スミス響、W.G.スティル/交響曲第5番「西半球」&第4番「先住民族の」ほか

JUGEMテーマ:音楽

NAXOS:8.556903
William Grant Still
/Symphony No.5 "Western Hemisphere"(rev.1970)
/Poem for Orchestra
/Symphony No.4 "Autochthonous"

John Jeter/Fort Smith Symphony

以前N.ヤルヴィの"American Sereies"で紹介したことのあるアフリカ系アメリカ人のクラシックの作曲家としてほぼ最初に評価されたW=G.スティルの作品を3曲(全て初録音)収録したCDです。
ただ今回はオケも指揮者も殆ど無名なだけに正直・・・という感じです、と書いたところで解説を見ると、同じ組み合わせで「アフロ・アメリカ交響曲」の録音もしていたんですね・・・知りませんでした。
ということで最初の交響曲第5番「西半球」は1945年作曲で、1970年に編集された4楽章構成で約20分弱の比較的短い作品です。元々は第3交響曲に次いで書かれた作品です。第1楽章は「Briskly」となっているものの、冒頭は少々重苦しく、とても「元気良く」という感じではありませんが、徐々に平易で親しみやすい雰囲気に支配されます。第2楽章はゆったりとしたテンポ設定による楽章で、深刻ぶらずに非常にメロディアスで何処となくムーディーな雰囲気も感じさせます。何ともいえない語りかけるようなやわらかい感じのメロディーです。第3楽章は一転して緊張感を感じさせるものの、強烈な重苦しさという感じではありません。第4楽章は前の楽章は何だったの?という感じの楽天的な音楽。非常に親しみやすいメロディーでダイナミックかつ振幅の幅も感じさせます。それにしてもメロディーが簡明で親しみやすいです。いやみな部分がなく、全体を通して親しみやすさが前面に出た作品に仕上がっています。
続く「管弦楽のための詩曲」は1944年作曲で10分強の小品。この作品では冒頭からメロディーは平易なものの、どこか落ちつきのない焦燥感・悲劇性を感じさせます。とはいえ全体を通すと決して重苦しさで押しつぶされるわけではなく、ある種映画音楽的な楽観性も持ち合わせています。
最後は交響曲第4番「先住民族の」です。この曲は1947年完成で4楽章構成26分強を要します。第1楽章は彼の作品らしくメロディー的には平易さが支配するものの、簡潔明瞭一辺倒ではないひっかかり・楽観的だけではない部分を感じさせます。第2楽章は一転して非常にゆったりと、長閑さを感じさせますただ中間部以降では弦楽器による明るく開放的なメロディーが印象的です。第3楽章ではジャズの雰囲気を感じさせる非常に軽快である意味コミカルさも持ち合わせた音楽が聴けます。と言うか、これはそのままジャズです。第4楽章は一転薄暗いジャジーな雰囲気を感じさせます。後半以降はノーブルな雰囲気も感じさせながらも、非常に平明でメロディーのしっかりとした音楽が展開されます。全編を通して非常にメロディーがしっかりとしていて、退屈させません。
全体を通していかにもアメリカ音楽的な平明さを感じさせますが、それが極端に嫌味にならず、いい具合に聴きやすい音楽に纏め上げられています。


at 21:44, i3miura, CD

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メッツマッハー指揮、ハルトマン/交響曲第4番ほか

JUGEMテーマ:音楽

EMI:CDC 7 54916 2
Kark Amadeus Hartmann
/Sinfonie Nr.4 für Streichorchester
Olivier Messiaen
"Et exspecto resurrectionem mnortuorum" pour orchestre à vents et percussion

Ingo Metzmacher/Bamberger Symphoniker

一人の指揮者による、初のハルトマンの交響曲全集を完成させたメッツマッハーですが、何故か長らく3番と4番を収録した2枚のCDが未架蔵状態でした。
BOXもでていますが、単発の楽しみは同時代の他の作曲家の作品も収録されていることです。この4番のディスクには、メシアンの「われ死者の復活を待ち望む」がカップリングされています。
ということで、交響曲第4番です。この作品は、弦楽合奏による作品で、緩急緩の3楽章構成で30分強を要します。元々は戦時中に作曲された「ソプラノ独唱と弦楽のための交響曲」として作曲されたものを、後に改定し今の姿ににっています。第1楽章だけで全体の約半分近くを要します。曲は非常に息の長い悲痛な叫びに支配された楽章で、所々で顔を見せるヴァイオリンによるヒステリックな感情を感じさせる高音は印象的です。とはいえ所々みせる悲痛ではあるものの美しい響きには不思議な美意識を感じさせます。第2楽章は一見リズミカルではあるものの、重苦しく重厚な響きが支配します。終始ピント張り詰めた緊張感が漂います。最後の第3楽章はピチカートで開始されます。続くメロディーも非常に重苦しく悲痛な雰囲気を感じさせます。重苦しくひたすら哀悼を感じさせるレクイエムのような音楽。
次はメシアンの「われ死者の復活を待ち望む」。5楽章構成で管楽器とパーッションのための作品という、先のハルトマンとは対照的な編成の作品です。第1曲「深い淵の底から、主よ、あなたを呼びます。主よ、私の声を聞き取ってください」はひたすら重苦しく救いのないよな沈痛な響きが支配します。第2曲「死者の中から復活させられたキリストは、もはや死ぬことはありません。死はもはやキリストを支配しません」この楽章ではオーボエ、フルート、クラリネットなどのソロが次々と登場し、音楽を形どります。その途中で彼の作品らしい独特のリズムをパーカッションも加わり奏でていきます。第3曲「死んだ者が神の子の声を聞く時が来る・・・」はメシアンの特徴でもある鳥の声が印象的に響きます。また所々に登場する鐘の音が効果的に響きます。第4曲「死者たちは、夜明けの星の喜びの歌と神の子らの歓声の中で、新しい名を持って、輝かしいものに復活するであろう」は鐘の音で重くるしく開始され、ここでも鳥の声が奏でられます。最後の「私はまた、大群集の声のようなものを聞いた」は冒頭からゴングとチューブラベルが淡々と響きます。ただひたすらにメシアンの音楽が続きます。
メッツマッハー&バンベルグ響、お見事という感じの演奏です。若干厳しさは足りないものの、非常に練られた演奏で上質な仕上がりを感じさせます。

at 19:09, i3miura, CD

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G.ヘルビッヒ指揮、ベートーヴェン/バレエ「プロメテウスの創造物」全曲版

JUGEMテーマ:音楽

BERLIN Classics:0030642 BC
Ludwig van Beethoven
/"Die Geschöpfe des Prometheus",op.43

Günter Herbig/Staatskapelle Berlin
Karl-Heinz Schröter(vn solo),Walter Weih(ob)
Günter Wäsch(basset hr)

ベートーヴェンの管弦楽作品の中でも、あまり聴く機会のない作品の一つ、「プロメテウスの創造物」です。序曲の方はまだ録音もポツポツ見ますが、全曲版というのはどれくらいあるのでしょうか?棚にはフェドセーエフ盤しかありませんでした(何故か両方ともに旧東欧です)。
演奏時間だけをその両盤で比較すると、フェドセーエフが68分24秒に対して、このヘルビッヒ盤は59分18秒と10分ほど短くなっています。
ということで「プロメテウスの創造物」です。この作品は2幕物の作品で、序曲と前奏曲、そして16の舞曲から構成されています。最初の「序曲」ですが、短いながらも堂々とした序奏の後、非常にキビキビとしたメロディーとなり活き活きとした躍動感を感じさせます。とはいっても1971年の録音なので、当然オールド・スタイルものですが、聴いていて自然な何とも気持ちの良さを感じさせます。オケも派手さはないものの、鳴るべきところはしっかりと鳴り響きます。続く「序奏」も激しく切れのある響きを聴かせます。
続く第1幕は短く3曲のみで6分強です。3曲三様な表情を見せますが、中でも第2曲が非常に立派で、バレエ音楽とは感じさせない堂々としたもの。
そして13曲からなる長大な第2幕となります。最初の第4舞曲は短くも威風堂々としたもので、続く第5舞曲はベート−ヴェンにしては珍しくハープも使われ、それ以外にもフルート、チェロなどがソロとして使われる典雅な雰囲気を感じさせます。第6舞曲も軽やかであっという間に駆け抜けるように終わってしまいます。堂々としていて、かつ華やかな雰囲気をも感じさせる第7舞曲、打楽器大活躍(というほどでもないか・・・)で金管楽器も豪快に鳴りまくる第8舞曲、牧歌的オーボエのソロが印象的で、流麗勝かつ華やいだ雰囲気も感じさせる第10舞曲、華やかでいかにもバレエ音楽といった雰囲気満載の第13舞曲、クラリネットによる伸びやかなソロと、それを受け継ぐオーボエなどのソロが何とも上品かつ典雅な雰囲気を漂わせる第14舞曲。そして最後の第16舞曲は交響曲第3番の第4楽章メロディーが使われていることでも有名な楽曲。非常に華やかで、色々なメロディーが変奏曲風に次から次へと登場し飽きさせません。非常に堂々とした格好良い曲です。
バレエ音楽っぽくない曲もありますが、正直あっという間に聴き終わってしまう曲で、何でこんなに録音が少ないの?と感じてしまいます。
まだ壮年期のヘルビッヒの棒は非常に爽快でオケも気持ちよく鳴り響いています。

at 21:32, i3miura, CD

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M.フランク指揮、ドビュッシー/「映像」「春」&「牧神の午後への前奏曲」

JUGEMテーマ:音楽

RCA:88697 578602
Claude Debussy
/Images pour orchestre*
/”Printemps”,suite symphnique*
/Prélude à l'après-midi d'un faune**

Mikko FRanck/Orchestre Philhgarmonique de Radio France*.**
Magali Mosnier(fl/**)

久しぶりにM.フランクのCDを見たような気がして購入しました。というかレーベルもRCAに変わっていたんです。全然知りませんでした・・・
で、演奏ですが今までの彼は極端にテンポが遅かったりと、一風変わった面を持ち合わせたりしていましたが、演奏時間だけをパッと見るとそういう感じではありません。
最初は「映像」から。第1楽章「ジーグ」ですが、幾分遅めの設定を採り、オケをゆったりと鳴らします。その後はかなりテンポを自由に操りますが、ただそれ程不自然さは感じさせません。どちらかというと一音一音を非常に丁寧に扱っている様子が見えます。またいつものフランスのオケにしては音の重心が低いのが特徴で、鳴りっぷりも立派です。続く「イベリア」。「街の道と田舎の道」は若干遅めのテンポで、先にも書いた重心の低い音色のせいか、少々華やかな雰囲気に欠けます。落ち着きすぎ?「夜の薫り」も落ち着き払った堂々とした演奏。オーボエのソロが何とも言えない芳醇な芳しさを感じさせます。ひっそりと何かジワジワと押し寄せてくるような雰囲気を感じさせます。中間部以降も濃密な世界が広がります。「祭りの日の朝」では曲が曲だけに色彩感が豊かで聴かせます。非常にどっしりとした豪華なサウンド。最後の「春のロンド」も幾分遅めの設定で、丁寧に歌いこみます。各奏者がこれでもかというくらい吹いているのが印象的です。それにしても押し寄せてくる迫力があります。
続いては交響組曲「春」です。前半は遅めのテンポ設定で丁寧に歌いこまれ、何とも言えない美しさ美しさを感じさせます。幻想性を強く感じさせながらも、中間部以降では若干テンポを速めにし、流れも感じさせます。流麗勝つノーブルな雰囲気を十二分に感じさせる演奏です。後半でもどっしりとした音作りをベースにしっかりと音楽を作り上げます。それにしても良く鳴ります。
最後は「牧神の午後への前奏曲」。フル−トのソロは当然M.モスニエです。演奏時間10分半なのでちょっと遅いくらい?思って聴き始めたのですが、前半のフルート・ソロが前面に出る部分は、かなり遅めでたっぷりと歌いこみ微温を堪能できます。この演奏ではしっかりと音色をコントロールし(曲が曲なので・・・)、またテンポも遅めを基調としながらも、かなり揺さぶりをかけています。何とも不思議な演奏です。
全体を通して、今までの彼にしては大人目の演奏ではあるものの、それなりに個性を発揮しています。また重心の低い音色はフランスのオケらしからぬものです。非常に丁寧に一音一音かみ締めるように演奏しているのは好印象です。
ただ、このジャケットのセンスは、ちょっといただけないですね。

at 23:10, i3miura, CD

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P.ブレイナー指揮、ヤナーチェク/オペラからの管弦楽組曲集vol.2

JUGEMテーマ:音楽
 
NAXOS:8.570556
Leoš Janáček
/"Kát´a Kabanová",suite(arr:Peter Breiner)*
/"Věc Makropoulos",suite(arr:Peter Breiner)**

Peter Breiner/New zealand Symphony Orchestra*.**
Vesa-Matti-Leppanen(vn/**)

P.ブレイナーのアレンジよる、ヤナーチェクの「オペラからの管弦楽曲集」の第2集です。今回は「カーチャ・カバノヴァ」と「マクロプーロス事件」の2作が収録されています。
まずは「カーチャ・カバノヴァ」。このオペラからは5曲か選ばれ40分弱にアレンジしています。「序曲」は冒頭から重苦しい雰囲気に満ちています。その後も「運命」を感じさせる重く寂しげな感じがうまく表現されています。「ティホン、その時辺りに・・・」は緊張感を持った始まりながらも、叙情的な顔をも見せる楽曲で、何とも言えない美しい世界観が漂っています。最後は重苦しく閉じられます。「また自慢する」はタイトルとは裏腹の寂しげなメロディーで開始されます。その後もどこかとりとめのない感じで音楽が進行します。儚げな美しさ、といった感じでしょうか?「間奏曲と歌」は舞曲風の軽やかな足取りを感じさせる音楽。長閑さを感じさせ、他に比べると明るい開放感を感じさせます。後半部分では一瞬雄大さもみせますが直ぐに密やかに閉められます。最後の「嵐が近い」ピチカートによる慌しさを感じさせる冒頭から、徐々に緊張感を伴いながら、スケールを増していきます。押しつぶされな位の重厚をみせながら、色々な重圧から開放されたかのような平穏な世界が顔を見せますが、再び慌しくなり緊張感の中、音楽が閉められます。
次は「マクロプーロス事件」。この作品は個人的には20年近く前ですが、ミュンヘンで唯一彼の作品を見たことがある作品なので好きな曲の一つになっています。で、ここからは6曲が選ばれ、30分強にアレンジされています。「死は私に触れて」は異様な重苦しさの中、ハッとするような美しいメロディーが印象的に登場します。ヴァイオリンのソロによるメロディーは絶品です。「グレゴール・ブルスの死因」は非常にどっしろと構えた演奏で、オケを恰幅よく鳴らしています。「それはなんだか変ですよね?」も丁寧に歌う込まれておりリズムのギコチナサをあまり感じさせません。「私は頭が空っぽです」は慌しく緊張感をかじさせます。他の曲でもそうですが、同じフレーズが何度も執拗に繰り返され、ある種の恐怖感を感じさせます。「本当にあなたが好きです」は寂しげに開始されるものの、その後異様な緊張感を感じさせます。ここでもヴァイオリンによるソロに一瞬の光を見出せます。最後の「そう?」は慌しさを感じさせる冒頭から徐々に落ち着きを戻します。その後「死は私に触れて」の回想を経て、緊張感を持続したまま終結します。
第1集同様に、非常に明快な音楽作りで、うまくまとまられていて、気軽に聴くことのできる1枚に仕上がってます。

at 13:33, i3miura, CD

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P.ブレイナー指揮、ヤナーチェク/オペラからの管弦楽組曲集vol.1

JUGEMテーマ:音楽

NAXOS:8.570555
Leoš Janáček
/"Jenůfa",suite(arr:Peter Breiner)*
/"Výlety pana Brouček",suite(arr:Peter Breiner)**

Peter Breiner/New Zealand Symphony Orchestra*.**
Vesa-Matti Leppanen(vn/*)

今のところ第3集まで発売されてるヤナーチェクの「オペラからの管弦楽組曲」シリーズです。
彼のオペラはなかなか上演機会もなく録音も決して多くないのが実情です。そんな彼のオペラ作品ですが、NAXOSから指揮者でありアレンジャーでもあるP.ブレイナーが聴き所をアレンジし、組曲にしたシリーズが開始されました(といっても、もう3枚ほど出ているようですが・・・)。今までにもこのような管弦楽組曲に編曲したアルバムはあったようですが、従来の抜粋物と違い、ここでは色々と手が加えらら手います。
この第1集では「イェヌーファ」と「ブロウチェク氏の旅」の2作が収録されています。
まず最初の「イェヌーファ」。6曲を抜粋し30分強に纏め上げています。最初は「夜はすでに更けて」はのっけからいかにもヤナーチェクという響きに満ちています。「全ては結婚し〜すべてのカップルは問題を克服するだろう」は非常に明るく朗らかなメロディー満載です。押し強さもなかなかあり響きに迫力も感じられます。ただ中間部では一転して物悲しい表情を見せますが、ここでの表情付けも堂に入っています。最後は再び大円団で締められます。「あなたは悲しくないの?イェヌーファ」では弦楽器と木管楽器の掛け合いの妙が堪能できます。音楽が進むと徐々に緊張感をはらみ、トロンボーンのソロの後はスケール感も感じさせます。「遠くて広い」では伸びやかなトランペットのソロが印象に残ります。「あなたのよき日を神は祝福し」でも良く歌う弦楽器を中心に非常に明るい音色の世界が広がります。最後の「みんな行ってしまった〜あなたも行きなさい」は安らぎに溢れた穏やかな雰囲気に満ちています。最後もスケール感を感じさせる劇的に幕を閉じます。
次は「ブロウチェク氏の旅行」。5曲約40分にアレンジされています。「マシュー・ブロロウチェク氏」は滑らかに響く弦楽器に、朴訥と響く合いの手のような管楽器と不思議な対比を見せますが、後半にかけては雄大な世界を感じさせます。「月が出ている」はゆったりとした夜の雰囲気を感じさせる中に彼らしいヒネリが入っています。「ワルツ、他、ダンス」は軽快なワルツで始まり、その後も色々なダンスが次から次へと登場する楽曲で色々と表情の変わる様は聴いていてあきません。「地球からの訪問者」は非常に平易なメロディーの音楽で透明感が感じられます。最後の「神の勇士である人々へ」は緊張感のある導かれ、その後は力強さを感じさせる勇壮な雰囲気を感じさせます。最後も非常にスケール感のある幕切れです。
比較的平易な「イェヌーファ」とちょっとこった「ブロウチェク氏」という組み合わせのアルバムですが、ブレイナーのかなり明瞭なアレンジの下、かなり判りやすいく(少々ヤナーチェク独特の語法がスポイルされているような部分も無きにしも非ずですが・・・)、音楽が構成されています。オケもちょっと明るすぎ?


at 23:08, i3miura, CD

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O.カエターニ指揮、ピツェッティ/ピアノ協奏曲「夏の歌」ほか

JUGEMテーマ:音楽

NAXOS:8.570874
Ildebrando Pizzetti
/Oreludio per "Fedra",tragedia musicale in tre atti*
/Concerto per piano e orchestra "Canti della stagione alta**
/"Cabiria",film music:Sinfonia del fuoco***

Oelg Caetani/Robert-Schumnn-Philharmonie*.**.***
Susannna Stefani Caetani(pf/**),Boris Statsenko(bar/***)
Städtischer Opernchor***

ポツポツと増えているピツェッテの録音です。
今回はカエターニ指揮のピアノ協奏曲ほかという収録内容ですが、新譜ではなくMARCO POLOからの移籍盤で12年ほど前の録音です。
メインは真ん中に置かれているピアノ協奏曲「夏の歌」ですが、両端の作品もなかなか聴き応えのある作品です。
ということでまず1曲目の歌劇「フェドラ」の前奏曲です。「フェドラ」は彼の最初のオペラ作品で、1915年にスカラ座で初演されました。前奏曲は8分半程の曲で、曲は弦楽器によるゆったりとしたメロディアスなフレーズで開始されます。曲の雰囲気としては、ヴァーグナーの「トリスタンとイゾルデ」前奏曲をより色彩的にした感じといったら良いでしょうか?「トリスタン〜」ほど官能的で蠢くような雰囲気には乏しいものの、非常に美しい作品です。
次はピアノ協奏曲「夏の歌」です。この冬の寒い時期に少々時期はずれな感は否めませんが・・・。独奏はスーザン・ステファニ・カエターニという女性で、解説を読むと、カエターニの奥さんのようです。第1楽章は夏の夕べを感じさせる感傷的な雰囲気で始まります。すぐに登場するピアノは以前紹介したチッコリーニ比べると少々硬く、柔らかい雰囲気が足りません。その後もしっかりと弾けているものの曲の雰囲気とマッチしていないような印象を感じてしまいます。続く第2楽章も第1楽章の雰囲気を引きずるかのように感傷的な雰囲気に満ちた楽章。メロディーの美しさは何とも魅力的です。第3楽章は唯一明るく華やかな楽章。冒頭からオケ。ピアノ共にリズミカルで跳ね回るように駆け回ります。ただそういった雰囲気も長くは続かず、また今までの叙情性が顔を出します。そして4分過ぎからは再び軽やかな世界が戻ってき、その後は勇壮さも加わり、非常にダイナミックな音楽になり、そのまま力強く音楽は締められます。彼女にピアノはここでの雰囲気のほうがマッチしています。
最後は映画「炎の交響曲」から「カリビーア」。イタリアの映画監督G.パストローネのサイレント映画のための音楽。丁度イタリアがリビアを支配した時期にあたり、愛国心を高めるために作られたようで、第二次ポエニ戦争を題材にしているようです。合唱とバリトンのソロも加わる10分強の作品。今までの2曲とは違い非常に力強さを感じさせます。曲は冒頭から重厚かつ華やかな雰囲気で始まり、以降は暴力的な雰囲気も伴います。4分頃からバリトンと合唱が加わり、より劇的に音楽が展開されます。その後はオケ・独唱・合唱が渾然一体となって音楽が進む濃い目の味付けの音楽。
全体を通して少々オケの力量不足の感じられるものの、決して多いとはいえない彼の作品を紹介する上では貴重なもので、彼の再評価にも少しは貢献するのではないでしょうか?

at 12:02, i3miura, CD

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C.リンドン=ギー指揮、マルケヴィッチ/「シンフォニエッタ」&「新時代」ほか

JUGEMテーマ:音楽

NAXOS:8.572152
Igor Markevitch
/"Le Nouvel Âge"
/Sinfonietta in F
/Cinéma-Ouverture

Christopher Lyndon-Gee/Het Gelders Orkest

MARCO POLO移管盤によるマルケヴィッチの管弦楽全集の第2弾CDです。
今回は「新時代」「シンフォニエッタ」「シネマ序曲」という3曲が収録されています。
まず最初は「新時代」です。1937年にアメリカの詩人E.ジェームスとの共作という形で元々作曲された、3曲構成約30分を要する作品です。最初の「序曲」はゆったりとしたメロディーで開始され、すぐに賑やかな表情に変わります。サウンド的にはパリ時代のプロコフィエフの香りのプンプンするもの(交響曲第2番あたり)で、なかなか斬新です。色々なフレーズが次から次へと登場する様は聴いていて飽きません。続く「アダージョ」は深遠な雰囲気で開始されます。浮遊するかのようなフルートのソロ、重苦しい楽想と独特の重圧感が漂っています。最後の「賛歌」はトランペットによるジャズ風のメロディーで開始されます。その後も延々トランペットによる技巧的なソロが続きます。一瞬雰囲気が変わったかと思うと、また思い出したように元の音楽に戻り、スケールの大きなビックバンド風音楽で一気に終曲を迎えます。
次のシンフォニエッタは1929年作曲で4楽章構成18分ほどの作品。第1楽章は機械的なリズムをベースにした楽章。第2楽章は軽妙かつリズミカルな音楽で、チョコチョコと動き回るような目まぐるしい変化が感じられます。第3楽章は¥唯一の緩徐楽章。どこかひっそりとした雰囲気の漂う楽章で、苦渋に満ちたミヨーという感じの楽章です。第4楽章はシンコペーションのリズム主体の力強さを感じさせる楽章。何処を切っても豪快で、スケール感を感じさせるものがあり、オケコン的雰囲気に満ちています。音楽的な印象はヒンデミットを髣髴とさせるものがあります。
最後は「シネマ序曲」。1931年作曲の8分強の作品。レオニード・マシーンと言う人が構想した映画の中のバレエ音楽として作曲されたものの、その映画自体は完成しなかったそうです。交錯するリズムが非常に印象的で、サイレンをはじめとする色々と変な楽器も登場する何とも賑々しい音楽に仕上がっています。
オケにもう少しキレがるとより一層作品の魅力が発揮できたとは思いますが、これはこれでなかなかに聴き応えのある1枚に仕上がっています。

at 23:13, i3miura, CD

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B.エンゲセット指揮、スヴェンセン/ノルウェー狂詩曲第1~4番ほか

JUGEMテーマ:音楽

NAXOS:8.570322
Johan Svendsen
/"Romeo og Julie"(Romeo and Juliet),op.18
/Norwegian Rhapsody No.1,op.17
/Norwegian Rhapsody No.2,op.19
/Norwegian Rhapsody No.3,op.21
/Norwegian Rhapsody No.4,op.22
/"Zorahayde",op.11

Bjarte Engeset/Sønderjyllands Symfoniorkester

名前はそれなりに聞くのに、僕自身にとっては殆ど未知の作曲家の一人、J.スヴェンセンです。小品では恐らく何曲か持っていると思うのですが、ラックのSの所を見ると、ヤンソンス指揮の交響曲のディスク1枚しかありませんでした・・・
ということで今回はそんな未知の作曲家スヴェンセンの「ノルウェー狂詩曲」を中心に収録した管弦楽曲集です。
ということで最初は「ロメオとジュリエット」です。1876年10月に初演された12分強の小品。「ロメオとジュリエット」というと、チャイコフスキーの幻想序曲などが浮かびますが、彼の作品に比べると、より叙情的というか劇性が薄らいでいます。とはいえ十二分にドラマティックな仕上がりを見せます。中間部で登場するオーボエのソロもなかなか魅力的ですが、作品としてはどちらかというと悲劇的な側面のほうにスポットライトを当てているかのようです。
次からは「ノルウェー狂詩曲」が4曲(どれも10分ほどの作品)続きます。4曲はほぼ同じ時期の作品で、前の3曲が1876年、最後の第4番が1877年の作曲です。第1番ですが、弦楽器とホルンによる物憂げなメロディーで開始されます。3分過ぎからは一転して木管楽器の愛らしい舞曲風の軽やかなメロディーも登場します。グリーグの「ノルウェー舞曲」を想像させます。
第2番は1番に比べるとよりストレートな表現の作品。冒頭から非常に力強いシンコペーションのメロディーが登場します。その後は叙情的な弦楽器と木管楽器の儚げなメロディーが、何とも印象的です。
第3番は愛らしくも牧歌的な雰囲気を感じさせる木管楽器によるメロディーで開始されます。その後もどこかおどけた感じのメロディーが続きますが、丁度中間辺りから一転してホルンによる息の長くゆったりとしたメロディーが登場し、雰囲気が夜を感じさせるものに変わります。後半はこのシリーズらしい活き活きとした活気溢れる世界が戻ってきます。
最後の第4番は田舎の舞曲風の長閑さを感じさせます。中間部以降はリズミカルで、前半の雰囲気が一変します。とはいえ田舎臭さは感じさせますが・・・。何ともほのぼのとした愛らしい作品です。
最後は「ゾラハイダ」という12分強の作品。ワシントン・アーヴィングの書いた「アルハンブラ物語」が題材で、アランブラ宮殿を舞台に、悪の力からの救いを求めキリスト教に改宗したムーアの王女ゾラハイダの伝説をモチーフにしているということで、冒頭から物悲しいメロディーで幕を開けます。4分過ぎ辺りから弦楽器のピチカートを伴い少しずつ表情を変え、緊張感が出てきます。その後包み込むかのような弦楽器の厚く幻想的なメロディーが登場し、ヴァイオリン、チェロ、オーボエなどのソロの掛け合いを経て、再び音楽はスケール感を増していきます。ただその後は急速に、正に尻すぼみといった感じで曲は終わってしまいます。
エンゲセットのしっかりとした棒の下、演奏は悪くないと思うのですが、正直曲があまり魅力的でない(繰り返し聴こうと思わせない)のは残念です。

at 22:16, i3miura, CD

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H.シェリー指揮、R.カザドシュ/交響曲第1,5&7番

JUGEMテーマ:音楽

CHANDOS:CHAN 10263
Robert Casadesus
/Symphonie n°1 en ré majeur,op.19*
/Symphonie n°5,op.60 "Sur le nom de Haydn"*
/Symphonie n°7,op.68 "Israël"**

Howard Shelly/Northern Sinfonia*.**
Natasha Jouhl(sop/**),Alexandra Gibson(m-sop/**)
Mark Wilde(ten/**),Michael Druiett(bas/**)
Gateshead Children's Choir**,Northern Sinfonia Chorus**

20世紀フランスを代表するピアニストの一人、R.カザドシュですが、彼自身は作曲し、かなりの作品を残しています。レパートリーはピアノ曲のみにとどまらず、さまざまな協奏曲や7つの交響曲を含みます。
ということでこのCDでは、彼の3曲の交響曲が収録されており、全てが初録音となっています。7番にいたっては4人の独唱と合唱まで加わります。
まずは交響曲第1番。1934~35年に作曲されたこの作品は、4楽章構成で27分ほどを要します。妻であるギャビーに捧げられています。第1楽章は冒頭から明るく平明な雰囲気に満ちています。力強い雰囲気はミヨーの作品を感じさせるものがあります。続く第2主題は一転して優しい雰囲気のもの。第2楽章は一転して叙情的でメロディアスで詩的な雰囲気の楽章。どこかひんやりとした雰囲気が漂います。第3楽章はリズミカルで力強さを感じさせます。南仏の華やかさを思わせます。ただ少々一本調子? 第4楽章は木管楽器による軽やかなメロディーで開始されます。その後もゆったりとしたメロディーが続き色彩感溢れる音楽が展開されます。ただ楽想にあまりひらめきがないというか、単調さを感じてしまいます。
第5番は1959~60年にかけて作曲された同じく4楽章構成で20分ほどの作品。ハイドンの没後150周年に作曲されたところから、タイトルが付けられています。第1楽章は古典的なたたずまいを感じさせる平明なメロディーが支配し、親しみやすさを感じさせます。ゆったりとした第2楽章はしんみりとした叙情性を感じさせるものの、実際の時間に以上に長さを感じさせてしまいます。第3楽章はメヌエットにまります。上品な舞曲風のメロディーとフルートによる叙情的なメロディーが登場します。リズミカルな最終楽章は颯爽とした雰囲気を感じさせる軽やかな楽章。所々ダイナミックな表現もあり聴いていてなかなか楽しい楽章です。
最後の第7番は1967~70年に作曲された3楽章構成で17分ほどの作品。彼の完成作の中では最後のものです。ちょうど時期的に6日間戦争のあった時期にあたります。またサブタイトルには「G.セルの思い出に」と付けられています。第1楽章は冒頭から悲痛な叫びに似た雰囲気で開始され、すぐに登場する合唱も悲劇的な演出をするかのようにア・カペラで絶叫を繰り返します。進むにつれて曲調は穏やかなものになるものの、徐々に緊張感を増してクライマックスで第1楽章は閉じられます。第2楽章は一転祈りのような独唱で開始されます。ゆったりとひたすら平穏を祈るかのような楽章です。第3楽章は力強くスケール感を感じさせます。緊張感が高く、内容的にもなかなか引き締まったものが感じられます。
全体を通して、少々作品の内容的に不満がなくもないのですが、シェリーの手堅い棒の下で、作品の全体像を知ることが出来るのは悪くないと思います。

at 23:53, i3miura, CD

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